2003年の菊花賞、有馬記念、2006年の天皇賞(春)でそれぞれ2着し、長らく中長距離路線で活躍したリンカーン(牡6、栗東・音無秀孝厩舎)が右前浅屈腱炎を発症し引退することとなった。今後は種牡馬入りする模様だが、現時点での繋養先は未定。

リンカーン右前浅屈けん炎で引退(日刊スポーツ)
リンカーン号の引退について(JRA)
「名脇役」リンカーンが引退 菊花賞などで2着(朝日新聞)

リンカーンは父サンデーサイレンス(Halo系)、母グレースアドマイヤ(その父トニービン(ゼダーン系))という血統。2002年10月13日に京都競馬場の新馬戦(芝1800、2着)でデビュー。2003年菊花賞ではザッツザプレンティの2着、有馬記念ではシンボリクリスエスの2着、そして今年の天皇賞(春)ではディープインパクトの2着に入り、G1勝ちこそなかったものの3歳時から6歳時までの長きに亘ってトップクラスで活躍し続けた。通算成績は23戦6勝(重賞3勝)。

彼を見ていると、サラブレッドというもの、基本的には実力ももちろん大事だが、「運」とか「タイミング」が大事なのだなと痛感させられる。彼の同期にゼンノロブロイがいるが、彼とロブロイの対戦成績は次のようになっている(カッコ内がロブロイの着順)。

2003年6月1日東京優駿:8着●(2着)
2003年9月28日神戸新聞杯:4着●(1着)
2003年10月26日菊花賞:2着○(4着)
2003年12月28日有馬記念:2着○(3着)
2004年5月2日天皇賞(春):13着●(2着)
2004年6月27日宝塚記念:3着○(4着)
2004年10月31日天皇賞(秋):12着●(1着)
2005年6月26日宝塚記念:4着●(3着)
2005年10月30日天皇賞(秋):15着●(2着)
2005年11月27日ジャパンカップ:4着●(3着)
2005年12月25日有馬記念:3着○(8着)

リンカーンの4勝7敗という成績が残っている。方やゼンノロブロイはG1を3勝し、2004年の年度代表馬に選ばれた。そのロブロイに4勝しているリンカーンはついにG1には手が届かなかった。

シンボリクリスエス、ディープインパクトという有数の名馬とリンクする時代に生まれてしまったという「運の悪さ」、そして天皇賞には徹底的に縁がない競走生活だったというのが彼の戦績に対する率直な印象である。今年の春の天皇賞で鞍上にいた横山典弘が彼について語った「生まれた時代が悪い」という言葉こそ、彼の馬生を如実に物語るものだろう。

社台が命運を賭けた種牡馬を父、母父に持ち、近親には活躍馬が多数いる血統。種牡馬としては現役時代とは異なりトップを取りたいところだが、果たして。
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